引き続き原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/takansho2023.pdfを一部引用しながらこの記事を書いていきます
原発性局所多汗症治療の選択肢について
原発性局所多汗症の治療は手掌や腋窩、頭部・顔面などの部位ごとに推奨される治療が変わります。
保険収載されているものとされていないものがあり、更にそもそもの選択肢が少ないです。
そしてその選択肢の少なさが原発性局所多汗症の治療継続につながらない一つの要因になっています。
保険収載されている治療の選択肢
プロ・バンサイン(プロパンテリン)
抗コリン薬という分類の薬です。
この分類の薬として唯一「多汗症」に対して保険適応がある薬です。
他にも抗コリン薬という薬の種類自体はありますが、基本的にはおしっこの症状関連に使うことが多い。
因みに薬理学においてこの抗コリン薬を学ぶ際には一番最初に出てくることがあるくらい古くからある薬です。
古くからある薬しか選択肢がないってのは相当つらいですね。それだけ製薬会社はこの分野で儲かる見込みがないんだろうなって、がっかりするポイントだったりします。
グランダキシン(トフィソパム)
こちらの薬はベンゾジアゼピン系という薬の分類で、その多くは不安に対するものだったり、睡眠導入剤として使われるような種類です。
このトフィソパム自体には「多汗症」としての適応はありませんが、自律神経失調症などにおける発汗などに適応があり、使用されることがあります。
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
いわゆる「漢方」として位置づけられている薬です。
処方箋で薬をもらうことができますが、ドラッグストアなどで購入することも可能です。
飲み薬で保険適応があるのはこの程度です。本当に少ない!
エクロックゲル
成分的には上記の「抗コリン薬」が主成分の外用剤(塗り薬)です。
保険適応がある薬ですが、その保険適応がある疾患は「原発性腋窩多汗症」のみです。
ラピフォートワイプ
こちらも上記同様「抗コリン薬」の外用剤で、こちらも「原発性腋窩多汗症」のみの適応です。
エクロックゲルとの違いは主成分がそもそも違いますが、エクロックゲルは透明なゲル状の薬(なんとなくスライム的なのを想像したらわかりやすいかも)を塗るのに対して、こちらは酒精綿からあふれんばかりの染み染みな薬を塗る薬です。
アポハイドローション
こちらも「抗コリン薬」の外用剤ですが、「原発性手掌多汗症」の保険適応がある薬です。
上記の外用剤についてはエクロックゲルが2020年、ラピフォートワイプが2022年、アポハイドローションが2023年に使えるようになりました。
内服薬に比べて外用薬の方は少しずつ選択肢が増えてきている状況です。今後も新しい薬が出てくることに期待しています。
頭部・顔面多汗症に使える外用剤もお願いします!
胸部交感神経遮断術(ETS)
多汗症に対する手術による選択肢
過剰に働く交感神経の伝達をブロックすることで多汗症の症状を抑えるものですが、その手術後に大多数の人が抱える「代償性発汗」について問題視されています。
てぃーえむもこの手術を受けた患者のうちの一人です。
これについては今後もっと掘り下げてお話していきます。
保険適応外の選択肢
塩化アルミニウム外用液
保険適応となっている薬ではなく、いわゆる「院内製剤」として病院などで薬剤師が調整するもの。
保険適応ではないのに手掌、腋窩、頭部顔面のそれぞれの多汗症のファーストチョイスとして選ばれることが多いです。
ネットで買えたりもしており、てぃーえむもネットで買って試してみました。
ボツリヌス菌毒素製剤の局所注射(ボトックス注射)
重度の腋窩多汗症においては保険適応ですが、その他の多汗症では保険適応外です。
てぃーえむも試したことがありますが、それも今後掘り下げてお話していきます。
水道水イオントフォレーシス
薬剤を使用せず、水道水を入れた容器に手足を浸して微弱な電流を流すことで発汗を抑える方法です。
主に手掌足底多汗症に用いられることが多く、腋窩多汗症に関しては行うことを考慮してもよいとなっています。
この一ついい点としては機材そろえれば「自宅でもできる」という点です。
てぃーえむは手掌多汗症ではなかったので、この治療については触れてこなかったんですが、ガイドラインを見ると一応頭部顔面多汗症の推奨グレードがC2となっていました。
頭とか顔にどうやって電流を流すんだろう?と疑問。そのうち調べます(笑)
本当にざっくりと種類をあげてみましたが、次回からはこの治療選択肢についててぃーえむが行ったものについて掘り下げてお話していきます。


コメント