仕事中にそれは起こった
てぃーえむの職業は薬剤師です。
ちょいと前の話になるんですが、とある施設の患者さんのお薬を施設へ持って行って、セット対応した時の事でした。
台車からコンテナを取り車へ積み込み、またコンテナを取り車へ積み込み。
最後に台車を車へ積み込もうとしたその時でした。
「・・・ぃさん」
どこからか声が聞こえました。
「おにいさん」
今度ははっきりと声が聞こえました。
どこからだろうと思ってあたりを見回してみると、丁度施設の駐車場の横を通る細い道路の更に向こう。
電信柱のあたりから声が聞こえているのが分かりました。
そこにはおばあさんが一人電信柱にもたれかかりこちらへ声をかけていました。
「お兄さん、ちょっと助けて」
なんだろう?なんか困ってるのかな?と思いながらもこちとら仕事中ですぐ次の施設に薬を持って行かなきゃいけない状況。
そんなにこのおばあさんに時間を割く余裕はありませんでした。
・・・が、やっぱりこういうのを放っておくのができない人間だったので、おばあさんに近寄り話を聞くことに。
「お兄さん、ちょっと車ですぐそこの家に送って行ってくれないかい?」
びっくりしました。
てぃーえむ齢40歳。この世に生まれて初めて
おばあさんにヒッチハイクをされました
てぃーえむの初めてを奪い取った相手はおばあさん
ちょっと意味が分かりませんでした。
いきなり話しかけられて、話を聞いたらただのヒッチハイクでした。
あ、ただではありませんでした。ちゃんとお金は払うとの事。
何回も「すぐ近くだから、ちょっと乗っけてくれるだけでいいの」的なことを言ってくるおばあさん。
てぃーえむの選択肢としては2つ
1:おばあさんの頼みを聞く
2:急いでいるからと断る
さぁ、どうしようと思い、よくよくそのおばあさんの状況を確認してみたら
・スーパーの袋を持っており、その中に食材が沢山入っている
・電信柱にもたれかかってはいるものの、立位は問題なくできそう。
・転倒したとかでもなさそう
・お金はあるらしいからタクシーとかも呼べる状況
多分このまま放置してもきっと何とかなりそう・・・なんですが、結局てぃーえむはおばあさんの頼みを聞くことにしました。
お金をもらうつもりはなかったので、そこは断りました。
おばあさんの話を聞く
ヒッチハイカーおばあさんを車に乗せることにしました。
細い道路の向こう側にいたおばあさんをこっちに呼んで、助手席に乗せようとしたんですが
「動けない」との事。
仕方がなく車をおばあさんのすぐ横につけて、おばあさんを助手席に乗せようとしたんです
が
確かに動けない。
立ってるのがやっとの状態だったようで、てぃーえむの力技でなんとか助手席に乗ったおばあさん。
それから食材がパンパンに詰まったビニール袋を持ち上げてそれも助手席へ。
運転席に戻ったてぃーえむはおばあさんに導かれるまま指定の場所へ向かいました。
目的地は本当に割と近くのマンションでした。
短い運転時間の中でおばあさんの話を少し聞けました。
・いつも買い物に付き添ってくれた人がいなくなった。
・自分でもなんとか行けると思ってた。
・買い物終わったはいいけど、そこから帰るまでには体が限界だった。
そして、そのいつも付き添ってくれてた人が亡くなったんだということを聞けたあたりでマンションに到着。
おばあさんを車から降ろすと、たまたま知り合いの方と遭遇し
知人「あら~〇〇さんどうしたの!?親切な人がいて良かったね~!!」
幸い知人の方が玄関まで付き添ってくれたので、てぃーえむはその後姿を見守ってから業務に戻りました。
モヤモヤした気持ち
多分普通の人なら
「良いことしたな~!」って満足感があった出来事かもしれません。
しかしてぃーえむはその後もなんかモヤモヤした気持ちを抱えて業務に戻りました。
普段バカみたいな声を出してゲーム配信しているようなてぃーえむですが、これでも一応医療人です。
・今後の生活の基盤はどうなるんだろう?
・介護の手は入っているのかな?
など気になったんですよね。今後もきっと生活が厳しくなってくるんだろうなぁ~と。
もう少し話を聞いてから地域包括支援センターに繋げられたら良かったなぁと反省したのでした。
きっと地域にはこういうケースがいっぱいあるんだろうな。
今でもその施設には行っています。行く頻度が少し減ってはしまいましたが。
お薬のセット対応が終わって帰る時に声をかけられないかなぁと毎回思っています。
ヒッチハイク待ちです(笑)
次あのおばあさんに声をかけられたら、その時はもっと詳しく話を聞きたいです。
何か力になれることがあれば良いな。


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